2025.06.16
公務員試験

【公務員試験の倍率】都庁・特別区の倍率はこう見る!実質倍率を徹底解説

今回は、「倍率」、特に「名目倍率」と「実質倍率」について解説します。
この2つ、実は似ているようで全く違います!
それぞれの倍率を正しく理解して、公務員試験に役立ててくださいね。

「名目倍率」と「実質倍率」は全然違う!

前述したように、「名目倍率」と「実質倍率」は全く違うものです。
例えば、平成30年の都庁試験では、一般方式の名目倍率は11.4倍でしたが、実質倍率に換算すると6.1倍でした。令和5年度も、名目倍率が3.7倍であるのに対し、実質倍率は1.5倍でした。

「名目倍率」と「実質倍率」ってなに?

・「名目倍率」:募集人数に対する申込者数の割合
・「実質倍率」:実際に受験した人数に対して合格した人の割合

それぞれこのような意味です。少し違いますよね。
では具体的に例を挙げて考えていきましょう。

都庁一般方式での例

まず、令和6年度の都庁一般方式の採用予定数は555人でした。
これに対し、申し込み者数は2,057人。
したがって、名目倍率は3.7倍です。

しかし、ここで注意すべきは、実際に受験した人数です。

実際に受験した人数は、申込者数2,057人のうち、1,413人であり、約7割しか受験していません。
これは、過去の受験率を見ても、2018年以降はだいたい同じです。

続いて、一次試験の合格者数は1,248人。受験者1,413人に対する合格率は約88.3%で、2次試験まで含めた最終合格者数は932人でした。

このように、名目倍率では3.7倍ですが、実質倍率では約1.5倍になります。
これは、受験者のうち約3分の2が合格したことを意味します。
つまり、昨年度は非常に合格しやすい年だったと言えます。

令和6年度はさらに特殊な動きがあります。
新方式試験が3月に行われたことで、申し込み者数が前年の732人から2,296人へと大きく増加しました。
一方で、一般方式の申し込みも減るかと思われましたが、前年の2,057人から2,370人へと増加しています。
これは、公務員試験の人気が再び高まっている兆しとも言えるでしょう。

特別区の例

平成29年度の特別区では、採用予定数980人に対し、受験者は15,178人で、名目倍率は15.5倍でした。
しかし、実質倍率で考えると5.8倍です。
やはり名目と実質では大きな差があります。

令和5年度の特別区試験では、採用予定数が1,312人、申し込み者数が7,514人で、名目倍率は5.7倍です。
昔と比べて、特別区もかなり入りやすくなっていますね。

一次試験の受験者数は6,868人。特別区では、8〜9割の受験率が一般的です。
一次試験の合格者数は6,323人で、合格率は約92%。やはり非常に合格しやすい状況です。

続いて、二次試験の受験者は6,300人、そのうち最終合格者は3,035人でした。
特別区では例年、二次試験に進む人のうち約8割が実際に受験し、最終合格率は約6割となっています。

このように、特別区では、最終的に募集人数の2〜3倍程度の合格者が出ています。
申し込み者ではなく、実際の受験者(6,868人)と最終合格者(3,035人)で見ると、実質倍率は2.26倍となります。

名目倍率に惑わされないで!

ここまでお話ししたことから分かる通り、名目倍率に過度に怯える必要はありません
たとえば、特別区では一次試験の段階で受験者が減り、一次試験の合格率も非常に高くなります。
過去問対策をしていれば、十分に対応可能です。
さらに、二次試験でも8割程度しか受験しませんし、そこから最終合格者の6割程度が選ばれるという流れです。

面接が苦手で、何の対策もしていないという方が1〜2割いることも考えると、基本的な対策を行っていれば十分に合格できる状況だと言えます。

区分によって若干の違いはありますが、名目倍率が出た際には、実質倍率はその半分以下と考えてもよいでしょう。

まとめ

今回のポイントは、以下の2つです。

  1. 実際に受験しない人が一定数いること
  2. 公務員試験では、募集人数より多くの合格者を出す傾向があること

これらを踏まえ、過度に恐れず試験に挑んでくださいね。

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