【思い出の受験生シリーズ】全国模試1位でも失敗!公務員試験1次落ちの教訓

今回は、全国模試で1位を取りながら第一次試験に落ちてしまったケースについてお話しします。「まさか」と思われるかもしれませんが、実際にそのような受験生がいました。
私はよく「模試は模試」と言いますが、確かに成績と合否には大きな因果関係があります。しかし、模試の順位がそのまま合否に直結するわけではありません。ですから、模試の順位が悪くても「気にするな」とよく指導しています。実際、ランク外から合格する例は多くあります。
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不合格の兆候
彼の受験当時は、今と違って公務員試験が強烈に難しかった時代です。特に、私が問題作成に携わっていた大手予備校では、クオリティに徹底的にこだわっていたため、問題は非常に難しく作られていました。彼は、普通の人には解けないような問題でも点数を取ってくる実力がありました。
しかし、試験の前日、「先生、行ってきます」と挨拶に来た時の彼は、どこか地に足がついていない、宙に浮いているような異様なテンションでした。追い詰められたような状態でありながら、妙に興奮していたのです。
この経験から、私は学生によく「試験当日も普段の1日と同じように過ごせ」と指導しています。注意して観察していると、試験の前日にテンションが上がりすぎている子は、結果が思わしくないケースが非常に多いことが分かります。
敗因は見直しでの誤修正と単純ミス
彼が不合格になった後で話を聞いたところ、彼は計画通りに試験を全て終え、見直しをした際に10数問を直したそうです。そして、その全てが正解から不正解への修正だったと語っていました。
さらに、この10数問程度のミスだけで不合格になるとは考えにくいです。おそらく、個人的な意見ですが、受験番号の書き忘れなどの単純ミスがあったのだろうと思います。結果として、彼は一次試験で不合格となってしまいました。
メンタルコントロールと見直しが大切
この事例から得られた教訓は、とにかく「試験の時でもテンションを上げない」ことです。
これは、「ヤーキーズ・ドットソンの法則」にも通じます。緊張度とパフォーマンスの関係で言うと、緊張しすぎてもパフォーマンスは落ちますし、逆に緊張が足りなくてもパフォーマンスは落ちます。ちょうど中間ぐらいの緊張度がピークになります。試験直前には再度指導しますが、この緊張の度合いを自分でコントロールし、パフォーマンスのピークを作る必要があるのです。
また、見直しの原則も重要です。私は「ファーストインプレッション(最初の直感)を大事にしろ」とよく言います。皆さんも経験があるかもしれませんが、脳は「誤認」をします。見直しのために問題に戻ると、脳が「これ昔読んだことがある」と誤認し、その誤認に基づいて修正すると、間違えることが多いという研究もあります。
これは、模試や他の試験で統計を取っておくべきです。そうしないと、本番で怖くて修正ができなくなってしまいます。もちろん、明らかにミスだと判断でき、直した方がいいというものは直さなければいけません。しかし、「どっちかな」と迷ったようなものは、直さない方が良いと私は考えます。
その後の活躍:バイタリティある彼の道
彼は地元に戻って公務員として(広報関連の仕事で)非常に楽しく仕事をしており、その後、外務省に出向していたという話も聞きました。直接連絡を取っているわけではありませんが、彼はバイタリティある子だったので、今もどこかで活躍していることと思います。
まとめ
今回は模試の成績が良くても公務員試験で1次落ちしたケースについてお話ししました。
本番ではメンタルコントロールと見直しがとても大切です。
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