2025.11.12
公務員試験


今日は、2025年度 国家公務員(総合職)試験の実施状況についてお伝えします。ここ数年、特に技術系職種で「定員割れ」が続いていましたが、今年はどうなったのでしょうか? 最新の採用予定数と最終合格者数を比較しながら見ていきましょう。

■ 採用予定数と最終合格者数の比較

まず、国家総合職(大卒程度)の主要区分について、採用予定数と最終合格者数を比べてみます。

区分 採用予定数 最終合格者数 備考
政治・国際/人文 約60名 約180名 約3倍の合格者
法律 約90名 約271名 約3倍の合格者
経済 約40名 約120名 約3倍の合格者

文系区分はいずれも「採用予定数の3倍」程度の最終合格者を出しています。
一昔前は2倍程度が一般的でしたが、それだけ辞退者が多く見込まれているということです。

■ 技術系区分も回復傾向

続いて、技術系(理系)区分を見てみましょう。

区分 採用予定数 最終合格者数
人間科学 約20名 約48名
デジタル 約20名 約33名
工学 約95名 約195名
物理・地球科学 約10名 約43名
化学・生物 約15名 約44名
農業・水産 約40名 約119名
農業農村工学 約25名 約39名
森林・自然環境 約15名 約61名

いずれの区分も採用予定数を上回る合格者を出しており、「定員割れ」状態はほぼ解消しています。
近年は国としても採用人数を確保しつつ、共通試験やSPIを活用するなど採用手法を多様化しており、受験者の裾野が広がってきている印象です。

■ 公務員人気、コロナ後に回復傾向

コロナ禍を経て、一時期は「公務員離れ」が進んでいましたが、ここ数年は人気が回復基調にあります。
採用活動を前倒ししたり、大学3年生から受験できる仕組みを導入するなど、国側の工夫も影響しています。

ただし注意したいのは、最終合格=必ず公務員になる、ではないという点です。
特に技術系の学生では、最終的に民間企業へ進むケースも多く見られます。

ある理系の学生に話を聞いたところ、
「専門分野と関係ない部署に配属される」「給料水準が民間より低い」といった理由で辞退したそうです。
優秀な人材が民間に流れる現状を踏まえると、今後は“ジョブ型採用”への転換も求められるかもしれません。

■ まとめ:2025年度は「定員割れなし」、次年度は実力勝負へ

以上の通り、2025年度の国家総合職では定員割れは発生していません
むしろ、採用予定数を上回る合格者を出すことで安定的な採用を確保する姿勢が見られます。

これまで「公務員試験は簡単になった」と感じていた方も、来年度以降は再び競争が激しくなる可能性があります。
私たち予備校としては、受験生の皆さんに「早めの準備」と「確実な得点力アップ」をおすすめします。

公務員試験は、努力が結果に直結する世界です。
日々の学習を積み重ねて、来年度の合格を一緒につかみ取りましょう!

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