AIは公務員試験対策に使えるのか?―予備校として実際に検証してみた
公務員試験予備校として、今回は少し悩みながらも取り上げたいテーマがあります。
それはAIを活用した公務員試験対策です。
最近では、私たちの仕事でもAIを活用する場面が急激に増えています。
以前は少し的外れな回答や「それは違うのでは?」という内容も目立ちましたが、ここ数年で精度は大きく向上しました。
そこで今回は、「実際に公務員試験でどこまで使えるのか」を、予備校として検証してみました。
目次
AIを使った択一問題の検証(経済分野)
今回の検証では、まず経済分野の択一問題をAIに解かせてみました。
使用したのは、GoogleのAI機能(GoogleChrome上で利用できるAIモード)です。
問題は所得や価格などを扱う、やや難しめの内容。
問題文をそのまま入力し、「解答・解説」を依頼してみると、結果は次のようになりました。
・正答を導くことは可能
・計算過程も概ね正確
・ただし説明が高度すぎる部分あり
例えば、指数や関数の性質など、通常の受験生が前提知識として持っていない内容を当然のように使って説明してくることがあります。
つまり、「答えは合っているが、受験生にとって分かりやすいとは限らない」という印象です。
実際の正答率は?
試しに50問の経済択一問題を検証したところ、結果は以下でした。
・50問中48問正解
かなり高精度です。ただし注意点もあります。
・図表の読み取りは不完全
・数式を誤認識するケースがある
・間違えたときは説明が長くなる傾向
つまり、100%信じてよい段階ではない、というのが率直な評価です。
専門記述(論文)をAIに書かせてみた
次に、公務員試験で重要な「専門記述」を試してみました。テーマは「価格弾力性について図を用いて説明せよ」という典型的な問題です。
AIはそれらしい答案を作成してくれます。
・定義の説明:〇
・弾力的・非弾力的の説明:〇
・図の言及:〇
ここまでは良いのですが、採点者目線で見ると問題も見えてきます。
予備校としての評価
率直に言えば、50〜60点程度の答案という印象です。
理由は、重要論点が抜けているためです。
・需要曲線上で弾力性が変化するポイント
・弾力性と総収入の関係
といった、得点差がつく核心部分が書かれていません。
つまり、
・そのまま使う→ギリギリ合格ライン
・修正して使う→実戦レベル
という位置づけです。
「ある程度知識がある人」が補助として使うには有効ですが、完全依存はまだ危険です。
AI活用のリアルな使い方
現在、私たちが特に便利だと感じているのは次のような使い方です。
・分からない論点の質問
・解説の補助
・動画講義の要点整理や要約
最近のAIは、昔のような大きな誤情報は減り、学習補助としてはかなり実用的です。
ただし、「分かりやすい解説をしてくれる先生」とはまだ違う、というのも事実です。
AI時代における予備校の役割
AIの進化によって、予備校の役割も変化していると私たちは感じています。
これまでのような、
・問題の単純解説
・知識の一方的な提供
だけでは価値が薄くなってきます。
これから重要になるのは、
・面接対策
・全体戦略の設計
・メンタル面のサポート
・最新の試験情報の提供
・個人に合った受験プランの提案
といった部分です。
AIは強力な道具ですが、「合格までの道筋を設計する」のはまだ人間の役割だと考えています。
まとめ:AIは使うべきだが、任せすぎない
最後に結論です。
・AIは公務員試験対策に十分活用できる
・択一では高精度
・記述は補助レベル
・最終的な判断は自分で行うべき
学習の基本は今も変わりません。
書くこと、問題を解くこと、考えること。
そのうえで、AIを「賢い学習サポーター」として使うのが、現時点での最適な活用法だと思います。
これからも、予備校として実践的な検証を続けながら、皆さんの合格につながる学習法を発信していきます。
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