面接では、少しくらい「素」が見えた方がいい
面接練習をしていると、ときどき「すごくきれいに答える人」がいます。
質問にはすぐ答えられる。内容も前向き。失敗した話もほとんど出てきません。
一見すると、かなり完成度が高そうです。
ただ、実際には評価が伸びないことがあります。
なぜかというと、その人がどんな人なのか、いまひとつ見えてこないからです。
キャリサポでは、面接回答を立派にしすぎないことも大切だと考えています。
面接官が見たいのは、作り上げた理想の受験生ではありません。
実際に一緒に働くことになる、その人自身です。
目次
きれいな話だけだと、かえって伝わらない
面接では、つい良いことばかり言いたくなります。
「周囲と協力しました」
「最後まで責任を持ちました」
「相手の立場を考えました」
もちろん、どれも悪い内容ではありません。
ただ、これだけでは少し物足りません。
ほかの受験生も、よく似たことを話すからです。
実際の経験には、多少の失敗や迷いがあるはずです。
最初はうまくいかなかった。相手の意見を聞かずに進めてしまった。焦って空回りした。
そういった部分が少し入ると、急に話が本人らしくなります。
「あ、この人は本当にこの経験をしたんだな」
面接官にそう思ってもらえることは、とても大事です。
少し本音を入れると、話しやすい空気になる
自分の失敗や本音を相手に話すと、相手も少し心を開きやすくなることがあります。
これを「自己開示の返報性」といいます。
名前だけ聞くと難しそうですが、考え方はそれほど複雑ではありません。
たとえば、学生時代に頑張ったことを話すときに、
「最初は自分だけで進めようとして、周囲との情報共有が不足しました」
と正直に伝える。
そのうえで、
「それからは、作業前に役割を確認し、途中でも進み具合を共有するようにしました」
と続けます。
この形であれば、失敗を話していても悪い印象だけでは終わりません。
むしろ、失敗を振り返り、次の行動に変えられる人だと伝わります。
失敗談は「その後」が大事
面接で失敗を話すこと自体は、そこまで怖がらなくて大丈夫です。
ただし、失敗したところで話を止めないようにしてください。
「ミスをしました。反省しました」
これだけでは、面接官も判断に困ります。
知りたいのは、失敗した後に何をしたのかです。
誰かに相談したのか。
やり方を変えたのか。
同じ失敗をしないために、どんな工夫をしたのか。
この部分まで話せると、失敗談が成長の話に変わります。
公務員の仕事でも、すべてが最初から予定どおり進むわけではありません。
そのため面接官は、失敗しない人を探しているというより、問題が起きたときに立て直せる人かどうかを見ています。
正直なら何でも話してよいわけではない
ここは注意が必要です。
自己開示が大事だからといって、自分の弱みを全部話せばよいわけではありません。
たとえば、
「遅刻することがあります」
「期限を守るのが苦手です」
「挨拶があまりできません」
「確認作業が面倒に感じます」
このような内容は、面接では避けた方がよいでしょう。
仕事を任せるうえで、大きな不安を持たれる可能性があるからです。
「今は改善しました」と付け加えても、最初に聞いた悪い印象が残ることがあります。
弱みを選ぶときは、正直さだけではなく、採用する側がどう受け取るかも考えなければいけません。
「コミュニケーションが苦手」は少し危険
面接でよく聞く答えの一つに、
「以前はコミュニケーションが苦手でした」
というものがあります。
本人は、そこから努力して成長した話をしたいのだと思います。
ただ、この言い方はかなり範囲が広いです。
人と話すこと自体が苦手なのか。
初対面だけ苦手なのか。
大人数の前で話すことが苦手なのか。
面接官には分かりません。
そのため、「この人は職場で周囲とうまくやれるのだろうか」と思われることがあります。
使うのであれば、もう少し場面をしぼりましょう。
「初対面の方が多い場では、自分から声をかけるまでに時間がかかることがありました」
この方が、弱みの内容が伝わりやすくなります。
さらに、
「アルバイトでは、まず自分から挨拶することを決め、少しずつ会話のきっかけを作るようにしました」
と続ければ、取り組みも具体的になります。
無理に「完全克服」にしなくていい
弱みを話すとき、「今は完全に直りました」とまとめる人も多いです。
でも、少し不自然に聞こえる場合があります。
性格や苦手なことは、そう簡単にゼロにはなりません。
たとえば慎重すぎることが弱みなら、
「今も確認に時間をかけすぎることがあります。そのため、最初に期限と優先順位を確認して、必要なところから進めるようにしています」
くらいの方が自然です。
まだ弱みはある。ただし、自分で気づいていて、対処もしている。
この方が、無理に完璧な人を演じるより信頼できます。
暗記した文章を読む面接にしない
面接対策を始めると、回答を文章にして、そのまま覚えようとする方がいます。
準備として文章を作ることは悪くありません。
ただ、一字一句覚えてしまうと、面接本番で「読んでいるような話し方」になりやすいです。
途中で言葉に詰まっても構いません。
少し考えてから答えても大丈夫です。
自分の経験を思い出しながら話している方が、かえって本音が伝わることもあります。
面接は、暗記した文章を正確に発表する試験ではありません。
相手の質問を聞き、その場で自分の考えを返す場です。
等身大の自分を、伝わる形に整える
「等身大で話しましょう」と言うと、何も準備しなくてよいように聞こえるかもしれません。
そうではありません。
自分の経験を振り返る。
何を学んだのかを整理する。
面接官に伝わる順番を考える。
この準備は必要です。
ただし、準備することと、別人を作ることは違います。
良く見せようとしすぎて、本来の自分から離れてしまうと、質問を重ねられたときに話が崩れます。
少しくらい不器用でも、自分の経験を自分の言葉で話せる方が、面接では強いです。
キャリサポでは、完成した模範解答を渡すのではなく、受験生の経験を聞きながら、一緒に回答を作っています。
公務員試験では、筆記試験だけでなく、面接の比重も大きくなっています。
立派に見せることだけを考えるのではなく、「この人と一緒に働いてみたい」と感じてもらえる面接を目指していきましょう。
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