【論文試験】知っているようで知らない「問題」「課題」「取組」の違い【基本用語】
「課題」と「問題」。
あまり気にせず、同じようなものとして答案を書いている受験生も多いですよね。
でも実は、社会人になると「問題」と「課題」ははっきり区別されるんです。
目次
「問題」と「課題」の違い
たとえば東京都の論文は毎年こういう出題です。
(1) 別添の資料より、〇〇ために、あなたが重要であると考える課題を200字程度で簡潔に述べよ。
(2) (1)で述べた課題に対して、とはどのような取組を進めるべきか、あなたの考えを述べよ。
「問題点を述べよ」ではなく「課題を述べよ」です。
この2つの言葉にはこんな違いがあります。
問題=困っている状態
課題=困りごとを解決する方向性
たとえば、「保育園が足りない」というのは困っている状態なので「問題」。
それに対し「保育園を増やす」は解決の方向性なので「課題」です。
「保育園不足が問題」は正しいですが、「保育園不足が課題」は間違った表現になるわけです。
それが、違うんですよ。
「保育園が足りない」は仕事をしたいお母さんたちが困っている状態です。
でも、行政がそれを解決する方向性はいくつも考えられます。
・保育園を増やす
・いまある保育園の規模を大きくする
・保育園の代わりとなる施設を作る
・ベビーシッターを使いやすくする
・子連れで職場にいられるようにする
・そもそも働かなくてもいいようにする
この中から行政が目指すべき方向性を1つ2つ選ぶのが、「課題を述べよ」という設問の意味なんです。
◯「保育園不足が問題である。よって保育園を増やすことが行政の課題である」
ベビーシッターや子連れ出勤などをひっくるめてもいいですね。
◯「保育園不足が問題である。よって保育園以外の保育の受け皿を用意することが課題である」
「課題」と「取組」の違い
いい質問です。「課題」と「取組」も別なんですよ。
課題=解決のための大まかな方向性
取組=解決のための具体的な行動
「保育園を増やす」という課題のために「保育士の待遇をよくする/建設予定地の周辺住民に理解を求める/既存の建物を活用する」などの具体的な取組があるわけです。
(「取組」「取組み」「取り組み」の表記は役所によってバラつきがあります。気にせず自分にしっくりくる書き方でも減点はされませんが、問題文の表記に合わせてあげるのが大人の対応かもしれません)
「問題」「課題」「取組」。これらの違いを意識して、ワンランク上の答案を書きましょう!
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