2024.04.14
公務員試験

【社会人の文章?】論文試験のNGワード・ワースト5【学生の作文?】

論文試験で答案の印象を簡単にアップする方法があります。

それは「主観的な表現」を排除すること。

主観的というのは「自分の個人的な感想」という意味です。

小学校の作文では「自分の体験や気持ち」という主観を言葉にするのが正解でした。

これに対し、社会人の文章では「誰が読んでも納得できる」客観性が求められます。

 

特に役所というのは客観性・中立性が求められる世界。そのため役所で作られる文書つまり公文書には「書いた職員の個性や個人的感想」は1ミリも含まれてはいけません。

公務員試験で論文が課されるのは「この人には公文書を作る能力があるか」を試すためでもあります。ならば答案には主観的な表現を一切使ってはいけないことになりますね。

NGワード1「私は」

原稿用紙を前にすると、とりあえず「私は」から書き始めてしまう人、いますよね。

それは小学校の作文の癖が残っているからです。

「私は」と書いた瞬間に、「これは私の個人的感想ですよ!」と宣言したことになってしまいます。公文書で「私は」という主語はありえません。

ではどうするか? 「私」ではなく「物事」を主語にすればいいんです。

私は県が◯◯を推進するべきだと思う」

県は◯◯を推進するべきである」

私は△△についてニュースで見たことがある」

△△が報じられた」

ただし、自己PR系の論文で「あなたの体験を踏まえて」というテーマの場合は「私」を使ってもOKです。それは「公文書を作る能力」とは観点の違う出題だからです。

でも、その場合もなるべく「私」を避けると、大人っぽい印象の文章になります。

私は◯◯が得意だ」

「私得意分野は◯◯である」

私は学生時代、△△に力を入れてきた」

「私学生時代に力を入れた活動は△△である」

「私の」「私が」にすると、文法上の主語は「分野は」「活動は」になります。

 

NGワード2「と思う/と考える」

「私は」がNGなら、文末を「と思う」で終えるのもダメです。

「県は◯◯を推進するべきだと思う

「県は◯◯を推進するべきである

せっかく主語を物事にしていても、最後に「と思う」と書いた時点で文法上の主語は「(省略されている)私は」になってしまいます。主観の文に逆戻りです。

 

なんてことを言うと、「と思う」の代わりに「と考える」と書く人もいますよね。これもNGです。

「県は◯◯を推進するべきだと考える

ちょっと堅い表現を選んだのかもしれませんが、「考える」の主語は「(省略された)私は」です。主観の文であることには変わりません。

 

文末は「である」が基本です。

 

NGワード3「だろう」

とはいうものの、「である」と断定しにくいケースというのがあります。

それは未来の予想を述べるとき。

「この施策を実施することで、市街地の交通渋滞が緩和されるだろう

「だろう」は書き手の推測、予想を意味します。「私は」がなくても「私の主観」になってしまいます。

こういうとき、予想を述べつつ主観的表現を回避する方法がこちら。

「交通渋滞が緩和されると考えられる

「交通渋滞が緩和されると予想される

ぶっちゃけ、考えているのも予想しているのも「私」ですが、

「られる」「される」と受け身にすることで文法上の主語は物事「交通渋滞が」になるのです。

 

NGワード4「です/ます」

「小論文では『です/ます』を使わない」というのは学校で教わったかもしれません。

でも、なぜでしょう?

「です/ます」という文末は「敬体」と呼ばれ、聞き手・読み手に対する敬意が込められています。

ということは、前提として「敬意を払う私」の存在があるわけです。

これが、客観性を重んじる論文試験で「です/ます」を使ってはいけない理由です。

 

ちなみに、職場内のメールは読み手との1対1のやり取りなので「です/ます」が正解です。

また役所から市民への案内なども「です/ます」ですね。お客様への敬意です。

でも役所内の公文書で「です・ます」は使いません。いくつもの部署・役職に回されて閲覧されるため、「1対1の関係」ではないからです。

 

NGワード5「だ」

学校で「文章には『ですます』調と『だ・である』調があります」と教わった人も多いでしょう。

そのため「だ」と「である」を混ぜて使っているかもしれませんが、

論文で「だ」はNGです!!

実は「だ」という文末は主観表現です。

「〜だ。〜なのだ。〜だろうか」

なんだか暑苦しく感じませんか? これらは自己主張をするときの表現だからです。

これに対し「である」が客観表現。

「〜ある。〜する。〜いる。〜なる」

客観表現は「る」で終わり、主観表現は「だ」がつく、と覚えておきましょう。

 

ただし、これは現在形の話。過去形は「〜た」で終わって構いません。

それから形容詞も「大きい、小さい」のように「い」で終わって大丈夫ですよ。

 

まとめ

文章の印象は、内容よりも段落構成よりも「文体」で決まります。

論文試験では主観的文体をすべて削ぎ落とし、客観的文体で統一してみましょう。

それだけでグッと「大人の文章」に近づきますよ。

 

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